「なぜ世界には戦争があるんだろう。どうして人はあらそうの?」
これはなかなかの良書です。
個人的にとても好印象です。
A5サイズの薄い本なのですが、とても本質を突いています。
今まさにロシア・ウクライナ情勢が長期化しつつある中で、これを子供たちとどう語り合うか。
プーチンを悪者にして一方的に話すのは非常に簡単ですが、プーチンも血の通った人間です。勧善懲悪ではありません。プーチンにはプーチンの言い分があります。悪者として話すなら、何故悪いと思うのかを説明する必要があります。
短絡的に、「戦争は良くない」ってだけの教育をすれば、戦争を失くすための手段は戦争反対のストライキを起こすくらいしか思いつかない人間になるでしょう。
これまでも数々の国同士の争いがあって今に至っていますが、戦争自体を好き好んでやってきた人たちは一体どれくらいいるでしょうか。
中には好戦的で人を殺めること自体に快感を覚えている人もゼロではないかもしれませんが、それはごく少数だと思うし、それはそれでまた別の課題があります。
人間はたったひとりで生きることはない。
いつもほかの人間とともに暮らしている。
そして集団の中で自分の価値を認めてもらうために、必ず競争や対立が起こる。
(本書より一部抜粋)
本書は哲学的なアプローチをしています。
非常に難しいテーマですが、是非子供たちとも議論したい内容です。